「色覚異常」の者が、実は自分は色弱(色盲)なのである、と打ち明けたとき、もっとも多く出会う反応が 「じゃあ、この色は何色に見えるの?」という質問です。なぜかこの反応は、日本人だけに見られるのではなく、洋の東西を問わずどこでも起こり、「色覚異常者」を当惑させたり、悲しませたり、時に怒りをかっている、という点で、人種を問わないのです。

それでは、なぜこのような質問が発せられるのでしょうか?
赤いバラを見せ、この質問を発する時、
「やはり赤いバラは、緑色に見えているの?それとも黒?白?茶色?」
と思うのかもしれませんが、生憎と赤いバラは、「色覚異常者」にとっても、赤としか表現のしようがないのです。
こういう色は赤と呼ぶのだ、と学習してきたという点では、他の人たちと同じなので、別世界の人間のように思われると困ります。

それでも、「色覚異常者」でも、中級者レベルになりますと

「これは赤いバラだけど、君が見ている赤よりは、暗く見えているかもね」
と答えるかもしれません。

あるいは、薄いオレンジ色の紙に対し
「君にとってはオレンジ色だろうけれども、自分にとっては黄緑と表現するほうがピッタリくる」
と答えるかもしれません。

しかしながら、これは、他人の見え方を把握し、そこから自分の見え方との差を割り出すという高等演算技術を要するので、誰でも彼でも自信をもって言えるわけではありません。

ところで、さらに上級者レベルになりますと、「『この色何色に見える?』ってどんどん聞いてくれ」

となります。
「どんどん聞いてくれ」といっても、いかに自分が「色を間違えないか」を自慢するためではありません。
(実際、ほとんどの色を「間違える」ことはないのですが)

「間違い」が発生するとしたら、どのような状況で発生するのかを、正しく理解してもらうためです。

間違いがもっとも発生しやすいのは、
暗い場所で、色を判別する時。
その色自体が暗い色や濁った色や薄い色だった場合。
その色の面積がとても小さかった場合。

が、考えられるのです。

最初に戻ります。
「じゃあ、この色は何色に見えるの?」の代わりになる応答があるでしょうか?
状況や親しさ度にもよりますが、「もしもそれで困ることがあったら言ってね」くらいがよいのではないでしょうか?

NOTE

2026年10月18日:文章が変なところと強調したい箇所を変更しました。