しまちゃん 1999/02/18
私も、生まれつき廻りの人と色の見え方の違う人間の一人(28歳男)です。
私も体験談というほどのではありませんが、
幼少の頃から、今まで、自分が悩んできたこと、思ったことなどを、書かせて頂きたいと思います。
幸い、私自身、色弱であることで、人生の進路変更を余儀なくされたことはありません。
大学で電気工学を学び、電力会社でプラントエンジニアとして働いています。
しかし、このことで不愉快な思いは何度もしてきました。
自分が色弱であることに気がついたのは、おそらく5歳ぐらいの頃だったと思います。
くわしくは覚えていませんが、3歳年上の兄と遊んでいて、兄と母が私の異常に気がついたのです。
その後、母と兄から、「これは何色か?」という質問を何度も受け、私が答えるたびに母親が悲しそうな顔をしたことを覚えています。
母方の祖父は色覚異常です。
父系の家族に色覚異常はいません。
兄は正常、私は異常。
遺伝学上、統計学上の裏付けはきちんとあったのです。
小学生になって、
軍人将棋の駒の話、水戸黄門さんと全く同じ経験もしています。
すごろく系のゲームをしていて、緑と赤の駒をまちがえることもありました。
色鉛筆やクレヨンの赤と緑をよく間違えました。
高校1年生の身体測定で、石原式でしたか、あの試験用の円図をはじめて見ました。私が色弱と知って、「これ何色かわかる?」と聞く奴はいました。
それでも、進路で色覚異常ということは、何も問題にはなりませんでした。電気系の学校に行くのには、幸い、このことを条件にはしていなかったので。
電気工学を学ぶ上で、問題だったのは、抵抗器の色帯表示がわからなかったことぐらいですが、これも工夫で逃れました。
大学の電気学科では、、実験があり、電気回路をつくります。
回路を構成する部品のうち、抵抗器というものがあって、所望の回路を作るには、適切な大きさの抵抗器を選ばなければいけないのです。
抵抗器の抵抗値は、文字で書いてあると、消えて読みづらくなるので、カラー表示を使います。
0 黒
1 茶
2 赤
3 橙
4 黄
5 緑
6 青
7 紫
8 灰
9 白
たとえば、緑 黒 赤という表示がしてあれば、502 ということで、
| 50 | × | 10の | 2乗 |
| ↑↑ | ↑ |
=5000Ω(オーム)=5kΩ
というふうに使います。
当然のことながら、私にこれらの色はわかりませんでした。
小さい部品に細い線で記されているので、茶、赤、緑の区別、青と紫の区別が全然駄目でした。
(自分にとって役に立たない色帯表示なのに、
黒い礼服、茶を一杯、赤い人参、第三の男、岸圭子、嬰児、青虫、紫七部?、ハイヤー、白い救急車
なんて暗記しているのは、電気工学科出身の意地でしょうか?)
工夫というのは、実際に回路を組む時、色がわからないといっても、まったくわからないわけではないので、
自分が必要としている抵抗器かとおもったら、テスターという抵抗値を測定する機械があるので、それで計れば、全然問題ありませんでした。
この方法は、他の友達に習いましたが、その友達は色覚異常ではありません。ただ、色帯表示を暗記するのが面倒くさいので、計ってしまった方が簡単だと言っていました。
今まででいちばん嫌な思いをしたのは、運転免許を取るときでした。
大学に入学し、教習所に通おうと思い、入所の手続きをしたところ、色覚の検査を受け、異常があったので、自動車学校では私の色覚で免許を取れるか判断がつかないので東陽町の試験場で色覚の検査を受けてくるように言われました。
そう言われて家に帰り、家族にその話をすると、母がとても悲しそうな顔をして、私に謝りました。
別に謝ってもらっても、、、、
と思いました。
当時の自分にとっては、免許を取って車を運転するのは夢でした。
その夢が、もし、明日、東陽町の試験場で不適格と言われたら、、、、、
この日だけは、母のことを正直、恨みました。
兄は正常なのに、不公平だとも思いました。
自分にとって色覚異常であることで、初めて受けた「差別」だったから、動揺していたのでしょう。
でも、恨んでも、どうしても仕方が無いから、次の日、勇気を出して試験場に行くことにしました。
試験場で検査の結果、問題なしと判断され、免許を取る夢はかないましたが。
これまでの人生で、色覚異常で困ったことはそんな程度のものでした。
就職の時も、特に問題なかったし、色覚検査(健康診断)を受けたのは、採用が決まってからだったし、色が分からないことよりも、周りの人の偏見の方が、恐かったと思います。
私は、昔から国語や社会よりも、数学や理科の方が好きで、大学で電気工学を勉強したいと思っていました。
でも、何も(色覚異常について)知らない人から、理系は色盲はだめなんだ、なんて、心無いことを言われました。
でも、そんなことではあきらめませんでした。
色弱で合否なんかきまるものか。テストで1位とは言わないけど、いい成績をあげればきっと行けると信じていました。
いい成績だったかどうかは知りませんが、世間で言うほど、色覚異常は問題にならず、というか、色覚の検査など無く、第一志望の大学へ無事合格できました。
それから、私が残念に思ったこと、それは、親に色弱に対する理解が無かったことです。
Tanakaさんは、HPを拝見したところ、色覚について、よく研究されていて、こういった呼びかけをしたり、とても、すばらしいと思います。お子様のことで、ショックだったに違いませんが、この問題に、前向きに取り組んでいる姿勢がすばらしいと思います。
私の両親は、特に母は、この問題を正視できなかったようです。
私が色弱であることに、きっとショックは受けたでしょうが、ショックを受けることだけしか、してくれませんでした。
運転免許の時も、試験場からOKをもらって帰ってきた私にこう言いました。
「これで、もう、色弱で困ることはないよね。」
ちょっと、この問題を過小評価しすぎていないか。
わたしは少し腹が立ちました。
自分は色がわかるから、私がこれまで体験してきたようなことのほとんどを両親は知らないと思います。
この問題から目を背けたかったのでしょう。
もう、私は年が年だから、親がどうしたこうしたいうのはおかしいし、自分の親を問題にする気はありません。
今日まで育ててもらったことに、感謝しているウエイトのほうが、色弱ぐらいのことより大きいから、自分の親の悪口を言うつもりはありません。
ただ、色覚異常のお子さんをお持ちのおとうさん、おかあさんに言いたい。
「あなたがたは色が分からなくて苦労したことないでしょう。
でも、あなたのお子さんは、いろいろな差別や偏見と戦っているのです。
すこしでも、理解してあげてほしい。」ということを。
最後に、今、私が悩んでいることです。
進学、就職、(運転免許)は、問題なくクリアーできましたが、順番からして、年齢からして、次に来るのは結婚して親になる日です。
もし、相手が色覚異常でも保因者でもないとすれば、自分の子供は、男の子であれば、色覚異常ではない。
ただ、女の子の場合、保因者となってしまい、将来、その子が母親になるとき、この問題が出てきてしまう。
結婚するかどうかはわかりませんが、今の恋人には、自分が色弱であることは話していません。
最後に、お礼を言わせてください。
自分が今までコンプレックスを持っていた色弱について、同じような苦労をしている人のことを知る機会をくれたこと。
そして、自分に色弱について話すチャンスをくれたこと。
本当にありがとうございました。
今後も、このHPを陰ながら応援させていただきます。
まとまりの無い文章ですみません。
失礼します。