Mさん 1999/06/04

小学4年男子の母親です。
色覚検査がとうとうありました。来るべきことが来たという感じでした。

私が自分の事を知ったのは、小学校高学年。自分自身も異常であった兄に、「女は本当に珍しいそうだ」と聞かされ、母は気の毒だと落ち込み、それまで何もかも積極的であった私ですが、消極的に変わり、自分は異常なのかと、悩み苦しみました。
検査の時の友達の反応も恐かったのです。高校生になり進路を決める時も、挑戦する前から「きっと検査で落とされる。大学だって文系じゃないとダメだろう」と、誰にも相談できずに、自分一人で判断していました。あの時、身近に相談できる人や何でもない事だと言ってくれる大人がいたなら・・・と悔やまれます。僅か10歳の私は、将来が不安で仕方ありませんでした。

息子は保健室から担任を通じ、「健康診断のお知らせ」を「検査でわからないと答えたら渡された」と言いながら持ってきました。私が受けた狼狽ぶりとは裏腹に、なんともあっさりした様子に少しホッとしました。
そこには、色覚異常の疑いありと書かれ、医療機関に行って判断をあおぐ事が記載されていました。迷いました。しっかりした検査を受けて息子の状態を知ることも大切だと思うが、もし、今の彼が小さな胸で思い悩む事になってしまったら、どんな言葉を掛けてあげたら良いのだろう。私の言葉と態度で彼なりに状況が理解できるだろうか・・・自信ありませんでした。結果、担任経由で養護の先生当てに手紙を出しました。

学校の検査で異常の疑いが出たのならそれは確実だと言う事。
親はすでに、子供の様子を認識していると言う事。
学校生活には全く問題ない事。
等を述べ、私の過去の苦い体験と、今、医療機関に行って検査をし子供に事実を認識させる必要性がないのではないか、というこちらの気持ちを伝えました。
よって、医療機関の治癒・検査等の証明用紙は提出しない方針でいることを伝え、手紙には子供が持ちかえった用紙を同封しました。
親子の絆をしっかりさせ、親も子もその時期が来たらきちんと伝えるつもりだから、その時までどうかそっとして欲しいと書きました。
また、学期末ごとに渡される「わたしのからだ」の覧にも記載はひかえて欲しい旨を伝えました。

さっそく、その日の夕方、担任と養護担当から電話が入りました。
「親御さんの気持ち十分理解しました。学校側も配慮が足りなくて本当に申し訳ありませんでした。今後は特に気を付けるようにしたいと思います。また、告知する時や、検査を受ける時が在学中になるなら協力を惜しまないつもりです。医療機関での検査・用紙の提出はしなくていいです」
と、伝えられました。
この検査は今後、中学に進んでもやらない、と聞きました。
まずは、第一関門突破で、夫と共に胸をなで下ろしました。

以上が、私がつい一週間前に体験した出来事です。
何年間も思い悩み、恐る恐る開いたこのH・Pに勇気づけられ、思い切って一歩踏み出す事が出来ました。
事実を知る事は決して恐い事ではなく、新しい世界への第一歩でいつでも前向きに進まなくてはと、感じました。
私自身も、この体験によって目覚める事が出来たようです。