すいたい編(錐体/英語ではcone)
錐体(すいたい)とは、目の網膜にある、光の波長に反応するごくごく小さな器官です。この器官が光を受けて、その波長に応じた反応をします。錐体の種類は標準で三種類です。全体の数は650万とか600万(片目)と書いてあります。
1998年に超ビギナー向け色覚豆知識というコーナーを作ってからこっち、自分で描いた錐体を擬人化したイラストを載せていました。が、三色の色を付けていたため、誤解の元なので削除することにしました。
錐体自体には色はないです。光の長波長(L)、中波長(M)、短波長(S)に対応した反応を起こし電気信号が脳に送られ、脳で色に該当する感覚が作られます。脳で何が起きているかまでは、わたしはまだ勉強していません。
現在は、豊富に解説、図解、動画があるので、そちらを見てください。
"eye cone" で画像検索すると錐体の模式図解、もしくは顕微鏡写真? がたくさん出てきます(日本語で「錐体」だとあまりないので)、そこへ wavelength ←波長 を足すと三種類の曲線の入ったグラフなども出てきて、関連性を説明しています。
同じく第一色弱or第一色盲の説明、第二色弱or第二色盲の説明も、錐体君(わたしの作ったキャラです)で説明していたため、削除することにしました。
わたしの言葉で説明できるといいのですが、波長ってやつがどうも良く分かりません。
色の見える仕組みについては、この動画がTEDだし 296,729 回も見られているから参考になるかなぁ・・・ ただ、こちらも錐体にも波長にも色を付けていて、それじゃ違う!!とか思いましたが。
もっとも誤解されていること
赤緑色盲OR赤緑色弱という言葉から→「赤が緑に、緑は赤に見えている」というのは、誤解
英語では "red-green colorblind" とも言いやはり「誤解のもとだ」との記述をよく見かけますが、この言葉のために赤が緑に見えて、緑が赤に見えるんだな、と思ってる人は多いです。
しかし、違うのです。
赤緑色盲(or色弱)という言葉は、先に書いた「赤色盲(色弱)」と「緑色盲(色弱)」の総称なのです。現在ではこの誤解を避けるため(かどうかはわからない)「色覚異常」という言葉を使うことが普通のようです。※
しかし、この場合の「異常」は医学用語としての「異常」なのだと思いますが、一般の人が使うにはあまりに語感のきつい言葉なので非常に抵抗があります。
一方、雑誌等でよくみかける、カラー写真の上に文字がそのまま印刷されている場合、赤い背景の上に緑の文字(その逆も)を読みとるのは、程度にもよりますが、非常に読みとりに苦労します。(これはうちの子供の場合そうなんですが) 色設計に関わる方には是非心に止めて置いていただけるとありがたいポイントです。
その2:もっとも誤解されていること
「まったくのモノクロームに見えている」は誤解!!
わたしはモノクロームの映画や写真が大好きなんで「いいじゃないのモノクロームに見えてたって」と言いたいところですが、とにかく誤解です。この誤解は、目医者さんでもしているので他の人がしていても無理はありません。
「第一色盲(赤色盲)」の場合でいうと、「赤」は通常より「暗く」見えている、というのが文献の記述です。もちろん青錐体と緑錐体も働いているのでモノクロではありません。
あとの細々としたことは、その時の光源(太陽光のもとか、薄暗い電球のもとか)等によりさまざまですが、白黒写真のように見えているわけではない、のです。
※近年、「色覚異常」に代わって「色覚特性」が浮上。2002年現在、かなり一般的に使われているのを確認済み。
ナンセンスな質問
「色覚異常」の者が、実は自分は色弱(色盲)なのである、と打ち明けたとき、もっとも多く出会う反応が 「じゃあ、この色は何色に見えるの?」という質問です。なぜかこの反応は、日本人だけに見られるのではなく、洋の東西を問わずどこでも起こり、「色覚異常者」を当惑させたり、悲しませたり、時に怒りをかっている、という点で、人種を問わないのです。
それでは、なぜこのような質問が発せられるのでしょうか?
赤いバラを見せ、この質問を発する時、
「やはり赤いバラは、緑色に見えているの?それとも黒?白?茶色?」
と思うのかもしれませんが、生憎と赤いバラは、「色覚異常者」にとっても、赤としか表現のしようがないのです。
こういう色は赤と呼ぶのだ、と学習してきたという点では、他の人たちと同じなので、別世界の人間のように思われると困ります。
それでも、「色覚異常者」でも、中級者レベルになりますと
「これは赤いバラだけど、君が見ている赤よりは、暗く見えているかもね」
と答えるかもしれません。
あるいは、薄いオレンジ色の紙に対し
「君にとってはオレンジ色だろうけれども、自分にとっては黄緑と表現するほうがピッタリくる」
と答えるかもしれません。
しかしながら、これは、他人の見え方を把握し、そこから自分の見え方との差を割り出すという高等演算技術を要するので、誰でも彼でも自信をもって言えるわけではありません。
ところで、さらに上級者レベルになりますと、「『この色何色に見える?』ってどんどん聞いてくれ」
となります。
「どんどん聞いてくれ」といっても、いかに自分が「色を間違えないか」を自慢するためではありません。
(実際、ほとんどの色を「間違える」ことはないのですが)
「間違い」が発生するとしたら、どのような状況で発生するのかを、正しく理解してもらうためです。
例えば、色を見ているその場所が、暗い場所である、
その色が暗い色、濁った色、薄い色、である、
あるいは、非常に面積の小さい色である、
が、考えられます。
最初に戻ります。
「じゃあ、この色は何色に見えるの?」の代わりになる反応があるでしょうか?
状況や親しさ度にもよりますが、「もしもそれで困ることがあったら言ってね」くらいがよいのではないでしょうか?
あなたが信用されているなら、そうしてくれると思います。